プロジェクトリーダー挨拶
1 豊田長康
事業推進プロジェクトリーダー(鈴鹿医療科学大学)
鈴鹿医療科学大学 学長(三重大学元学長)
すばらしい仲間や先生との出会いが、あなたの人生を変えるきっかけに
平成26年度から実施されている文部科学省の「課題解決型高度医療人材育成事業」の平成28年度のテーマは「慢性の痛みに関する領域」でした。それに、三重大学・鈴鹿医療科学大学合同事業「地域総活躍社会のための慢性疼痛医療者育成コース」が、山口大学、名古屋市立大学のプログラムと共に選ばれました。
三重大学のプログラムが選定に当たって高く評価されたのは、以下のような点です。
地域での慢性疼痛緩和のための教育・啓発活動の実績があるほか、医療系大学との連携で、メディカルスタッフも対象とした多職種、チーム医療も含む点が評価できる。
キャリアのイメージを描けるように、現場を体験できる機会を作ることとしているなど、新しい人材育成モデルとして期待できる。
ICTを活用した双方向の学修を目指しており、効率の良いプログラムとして期待できる。
地域特性が考慮された計画となっている。
「慢性の痛み」は、誰もがしばしば遭遇するありふれた病態であり、しかも、医療の進歩した現在においても解決の難しいテーマであって、さまざまな医療専門職の連携があってはじめて適切なケアができます。今、医療界では多職種連携教育の重要性がますます大きくなっていますが、「慢性の痛み」は多職種連携を身につける上でも、うってつけのテーマです。
三重大学と鈴鹿医療科学大学という三重県の医療系人材を育成する2つの大学が協働して、さまざまな医療専門職を目指す学生たちが、この「慢性の痛み」という切り口で、一緒に講義やワークショップで学び、議論し、教えあうことは、まさに画期的な多職種連携教育の取り組みです。でも、実は、二つの大学がいっしょに協働することは、言うはやさしくして、困難なことがたくさんありました。その困難を跳ね除けて、このプログラムを実現に導いたのは、三重大学の丸山一男教授、島岡要教授、鈴鹿医療科学大学の鎮西康雄副学長をはじめ、二つの大学の多くの先生方や事務の皆さんの熱意です。
本プログラムのワークショップを経験した学生さんからは、参加してほんとうに良かったというコメントが多数寄せられています。学生時代の比較的早い段階で、慢性の疼痛をテーマにした多職種連携教育を通じて得た素晴らしい仲間や先生との出会いが、皆さんのこれからの人生を大きく変えるきっかけになるかも知れません。
さあ、みなさん、この魅力ある教育プログラムに積極的に参加し、大いに楽しみましょう。